「全国高校ラグビー、常総学院71ー15八幡工業」(27日、花園)

1回戦9試合が行われ、20年ぶり2度目の出場の常総学院(茨城)は71‐15で八幡工(滋賀)を下し、2回戦に進出。
昨年8月に急逝した故石塚武生前監督に勝利を捧げた。3年連続4度目の出場の深谷(埼玉第2)は、59‐0で倉吉総合産業(鳥取)に完勝。
関東勢では2年連続出場の明和県央(群馬)も45‐5で御所実(奈良)を破り、初戦を突破した。
  ◇  ◇
 天国の恩師に見せつけんとばかりに、エンジの戦士たちは最後まで足を止めなかった。
後半終了間際にWTB平岡がチーム11本目となるトライを奪ったところでノーサイド。
主将SH加納はベンチから見届けてくれた故石塚前監督の遺影を誇らしげに掲げた。
「石塚さん!勝ちました!」。柔らかな西日が、写真の中の笑顔を照らした。
 06年から指揮を執っていた石塚前監督は昨年8月、突然死症候群で急逝した。
現在の主力は、前監督に口説かれ入学した選手たちだ。
日本代表時代はフランカーとして活躍。小柄ながら勇猛果敢なタックルで大柄な外国の選手と渡り合い
「タックルマン」の異名を取った名選手は、「タックルは怖いと思ったら負け。怖がらずに突っ込んでいくんだ」と、
自らのプレースタイルを生徒たちに叩き込んだ。
 教え子たちは、この日も出足の鋭いタックルで序盤から主導権を握った。
亡き恩師の悲願だった花園で、教えをしっかり体現してみせた。
 もちろん、初戦突破だけで満足してもらえるとは思っていない。この日もタックルミスから15点を奪われた。
佐藤監督は「ここからは石塚さんを男にすることが目標。お前らのタックルで監督の株が上がるんや」と、ハッパを掛けた。
 花園行きを決めた後、全選手、スタッフで墓参りに行き、誓ってきた。
「必ずベスト8に入ります」‐。常総フィフティーンの恩返しは、まだまだここからが本番だ。
 八幡工業に勝利し、石塚前監督の遺影を手に引き揚げる常総学院・加納遼大主将らフィフティーン=花園(撮影・浜畑利郎)
http://www2.daily.co.jp/general/2010/12/28/Images/03703954.jpg
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